あさりもなか |
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あさりもなかの由来 古くより周防灘一円のあさり貝は有名であります。この滑らかな茶褐色の肌をした素朴な貝は、日本海に面した北浦の荒海には棲んでおりません。宇部市内の川上の山奥にはところどころに貝塚が発見され、遠い昔そのあたりが海であったことを思わせます。 むかし神武天皇日向の国より御東征の石切穴門(長門)の国豊浦津(馬関)をすぎ牟部里(宇部)に立ち寄られました。「うべ」とは「海辺」又「海の部」の意味で昔から漁夫や水先案内が住んだ所と言はれています。その案内で周芳(周防)富田に上陸されました処、土地の豪族から「大いなるあさり貝」を多数献上され天皇はじめ一同の者は食して長途の旅の疲れを回復し力を合わせて、大畠の瀬戸を乗切ったといふ伝説が古書に残っております。 弊舗これにちなみ、あさり貝の素朴な姿をそのままに、りりしい鉢巻姿の「もなか」として謹製し独特の風味を賞玩し珍重していただいております。 どうかこの一口もなか「あさりもなか」を、行末ながく御賞用の程お願い申し上げます。 |
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